var vc_pid = "887816750";

読書20 京セラ・KDDI・JAL再建をした経営の神様の真髄 京セラフィロソフィ 稲盛和夫

 

 

京セラフィロソフィ 稲盛和夫


 

選書理由:京セラという大企業の文化を知りたかった

 

 

 

 

 

構成:稲盛さんの今までの経験を元に、いわゆる京セラの企業文化がどのように作られてきたのかが書かれていた。そこには人間として何が正しいのかという普遍的な判断基準に基づく経営哲学がある。

 

 

 

 

 

感想: 人生や仕事の結果=考え方×熱意×能力の3つの要素で成り立っていると稲盛さんは考えている。この考え方とは、愛と誠と調和に満ちている宇宙の意志と我々一人一人の思いが発するエネルギーが同調することが大切であるとする。この宇宙の意志というのは、空の状態から森羅万象あらゆるものを発展するように導く力のこと。反省し、努力しようと心がけることで近づける。そして愛とは、他人の喜びを自分の喜びとする心、誠とは世のため人のためになる心。調和とは自分だけではなく周りの人も幸せに生きると願う心。心で思ったことは30年とかその位の長期間で見たときにはその通り実現するので、素直な心を持ち自分にとって耳の痛い言葉こそ本当は自分を伸ばしてくれるものだと受け止める謙虚な心が大切である。明るく受け止めることで道は開ける、相手が自分に対して悪意を持って何かを仕掛けようともあの人はバカじゃないのかと疑われる位ニコニコしながら受け流す。魂を磨く方法としては以下の6項目を挙げている1)誰にも負けない努力をする2)謙虚にして驕らず3)反省のある日を送る4)生きていることに感謝する5)善行、利他行を積む6)感性的な悩みをしない。

 

 

 

様々な人がいるが、燃焼できる人を採用する。つまり勝気があり、常に何事にも積極的な人である。自然に人をそうしむけるには、責任感と使命感を与える。また渦を作ることが大切であり、ボケっとしていると部下に取り仕切られ周囲をグルグルと回らされるので、自分が中心となり人を使うことが大切であると教える。組織での議論は本音でぶつかり、物事をなあなあで済まさずにたえず何が正しいかに基づいて本音で真剣に議論していかなければならない。欠点や問題点に気づいていながら嫌われるのを恐れるあまり、それらを指摘せずに和を保とうとするのは誤りである。大将は組織の後方にいるだけでなく、率先垂範現場に出向き把握することが大切であると日露戦争の乃木希典と大山厳元帥の逸話から感じたそうで、現場に積極的に出るようになった。これにより、後ろにいないと視野が狭くなるといいさぼるよつを減らす効果があるとも考えている。

 

 

 

 

毎日の仕事の中で”これでいいのか”ということを常に考え、同時になぜという疑問を持ち改善を続け創造的な仕事へとつなげていく。知っているのとできるということは全く別物であるので、知識より体得を重視すべきである。松下幸之助は”私は学がおまへんさかい”という言葉を枕詞のように使い謙虚な気持ちで周りの人から知恵をもらおうとしていた。3Mの創業者は、会社が小さい時に友人から鉱山を買ったが、それがクズ山であったがなんとか利用しようと工夫し、それがサンドペーパーになり、のちにカセットテープに応用させた。

 

 

 

・京セラでは成績の良い部署も悪い部署もほぼボーナスは一律だそうだ、これは代償を求めず仲間のために尽くすことが大切であるからだ。

 

・帳簿も製造もベストではなくパーフェクトを求める。

 

・常に万一のための安全弁を取り仕事を進め、土俵の真ん中で相撲をとる

 

 

 

金儲けだけではなく、信念を貫く。大義名分があれば人は命すらもかけられる。健全な精神は健全な肉体に宿るというが、勇気は普通腕力に比例するものである。しかし、体が頑強でなくともリーダーは時に戦わなくてはならない。つまり、真の勇気というのは蛮勇ではなくビビりの人が場数を踏んで度胸をつけていくことである。リーダーとして仲間のことを見殺しにすることは最低な行為である。例えば、打ち上げで比叡山に万歳をしに行き、琵琶湖で泳ごうとなった時に暴走族20人に絡まれたことがあった。その喧嘩で仲間が襲われそうになった時に、喧嘩の経験などないがビール瓶片手に戦おうとし追い返した。この姿勢こと大切である。福沢諭吉から引用すると”思想の深淵なるは哲学者の如し(深い思想)、心術の高尚なるは元禄武士の如し(高尚で正直)、これに加うる小俗吏を持ってし(悪賢い)、さらにこれに加うる土百姓の体を持ってし、初めて実業社会の大人たるべし。

 

 

経営とは売り上げを最大に、そして費用を最小にするというシンプルな原則がある。中でも値決めは経営者の才覚次第。社員を役員にするか決める際に”夜鳴きうどん屋”寄らせてみようとしたことがある(実現はしなかった)。屋台を作って、元金5万をもとに一ヶ月でいくらに増やせるかを競わせる。例えばコカコーラは値段は高いが、得た利益を販管費に回し拡大した。ヤクルトは売り上げの多くをヤクルトレディに渡し販路を広げた。閉店セールでも工夫して仕入れをたたくなどして利益は確保すべきである。

 

泥縄式で在庫管理をする。つまり、必要な時に必要なものだけを購入する。無駄な在庫は持たない。これにより扱うものに細心の注意を払うし、安いと思っての無駄使いが減る。床にこぼれ落ちている原料や職場の片隅に積み上げられている不良品がまさにお金そのものに見えてくるところまで私達の採算意識を持っていかなければならない。不良資産を発生することを厳しく戒めていて、一度発生したら処分する。部署を跨いだハンコやダブルチェックで不正を防ぐ。

 

・私たちの心は自分だけが良ければいいと考える利己の心と自分を犠牲にしても他人を助けようとする利他のこことがある。周りの人を考え、思いやりに満ちた利他の心で判断すべき

 

・SONY、本田技研の宗一郎と藤沢のように大胆さと細心といった真逆の概念を持ち合わせるのが大事、温情と冷酷、合理性と人間性

 

・過密つけジュール故に次話す人の前に今の内容を忘れていた

 

・公私のけじめを大切にするので、勤務時間の私用携帯の受発信を禁止

 

・もうダメという時が仕事の始まり、京セラでは成功するまでやるので研究したものは全て上手くいく。これは土俵の真ん中で相撲をとっているからだ(財務的な余裕)

 

・新しい仕事について話をする時は賢い人間を呼ばない。どの位難しいかを頭で考えるより、楽観的に考え着手することが大切

 

・稲盛さんはスーパーでの買い物が好き、いくら買っても外食よりは安いから

 

・全ての催しに全員参加を鉄則にした(一体感)

 

・三ヶ月後に試作品を持っていきますと能力を未来進行形で捉えるからこそ進歩や発展がある。できなかった時は 怒られ誠に申し訳ありませんと謝るがこれも方便である。

 

・整理整頓と清掃をすることで、調和の感覚を得る

 

 

評価:星4.5(S)

京セラとKDDIの創業、そしてJALの再建と数々の偉業をこなしてきた稲盛さん。スシロー社長の水留さんもJAL再建チーム時代に共に仕事をしたくさん学んだと言っていた。そんな経営の神様が何を考えてきたのか、そしてどのうように会社をきりもりしてきたのかがわかる本書を大変貴重。経営に興味のある人の必読書。

 

 

こんな人に読んでほしい

経営や事業に興味がある人。京セラ、KDDI、JALに興味がある人。

 

意見は完全に私見ですので、あくまで参考までにお願いします

S 4.5 ~ 5.0 [読むと思考が変わる]

A 4.0 ~ 4.5 [持っていて損はない]

B 3.5 ~ 4.0 [時間があるときに読みたい]

C 3.0 ~ 3.5 [読まなくても良い]

 

Instagram: @book_itachi

 

Amazon.co.jpアソシエイトのプログラムを利用して、ご協力いただいた収益は実験的なカスタムに使われます

 

 

 

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました