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読書43 都市は文化(アート)でよみがえる 大林剛郎

 

読書No.43

 

タイトル:都市は文化(アート)でよみがえる
著者:大林剛郎

こんな方にオススメ:地方創生・アート・芸術文化・町づくり

評価:4.5(S)

 

(この本のリンク)

 

[本のご紹介]

 

著者の紹介、岡山の事例、気になった言葉で中身をご紹介したいと思います。

 

 

著者は建設会社の大林組会長であり、日本人アーティストや建築家を世界に紹介したいという気持ちがありアートと接してきたそうです。特に、大林財団では大林賞において都市の将来像を追求した実現性のあるビジョンを示したりするものを顕彰してきました。日本ではとにかく人が集まることが再生だと考えられてきましたが、結局日本が失敗してきたのは地方の東京化を進めてきたからと考えられます。都市において機能性や利便性の追求だけではなく人々に創造性を呼び起こし、精神の高揚感や充足をもたらすようなものが文化なのではないかという問いかけ、その過程を説明しているのが本書です。

 

岡山は事業を成功したものが文化の庇護者となる伝統があり、岡山という土地では様々な文化と都市の連携が行われています。この章で印象的なのが、それらの取組の特徴の違いです。私のような素人からすると同じようなアートでの都市再生と思っていたのですが、実は特徴が違うということを理解することができました。

 

一つ目に、3年に一度のトレエンナーレ形式(3年に一度開かれる国際美術展覧会)で行われる岡山芸術交流があります。特徴としては、キュレーターではなく、アーティストをアーティスティックディレクターを採用し、分かりやすさや親やすさに重きをおかず斬新な展示スタイルを追求している点です。批判家、ギャラリスト、コレクターのようなアートピープルに対しても質の良いアートを提供することができます。一般の人には、一見わかりづらいですがこうして専門の方の評価や関心を引くことで精査され本当に価値があるものがその土地に残ります。このようなケースは、入場者や盛り上がりだけでは不利になりますが長期的にはその都市のためになります。アイデンティを都市においていて、現代アートを通して都市の持つ肯定的な可能性を拡大しようとしています。

 

二つ目に、直島でのベネッセアートサイト直島と瀬戸内芸術祭です。ここではアートを媒介とした村落共同体的な世界の再生であり、住民、アーティスト、ボランティアなどの協働者が協働することでアートという価値観を共有している。

 

こうしてアートによる都市再生でも違う道を選択していることがわかると、その土地に行ってみて色々観察してみたくなりますね

 

 [名言]

 

ジャック・ラング
今日の社会の危機的状況はその多くの部分が本質的には文化の危機、自己をどう規定するかという模索の難局であり、現に進行している経済的、社会的変動に対する疑念である。文化方面への公的な投資がこれまで以上に私は大切だと思っている。もっとも市民に対する見返りが期待できる公共投資であもある。国家予算の1%を要求したのもこうした考えがあるからだ。文化政策をケインズ流で考えることは良いことである。

 

著者
文化は年に魅力を与え、文化が国を繁栄させる。日本のような成熟国家がこれから時間、資金、人材をつぎ込むべきだと思う。日本における文化の扱われ方は劣悪ですが、幸い日本には先輩方が残してくれた素晴らしい文化がある。これらを多くの人たちに紹介しながら発展させ、そして次の世代に引き継いで行かなければならない。

 

 

 

 

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