意見は完全に私見ですので、あくまで参考までにお願いします
S 4.5 ~ 5.0 [読むと思考が変わる]
A 4.0 ~ 4.5 [持っていて損はない]
B 3.5 ~ 4.0 [時間があるときに読みたい]
C 3.0 ~ 3.5 [読まなくても良い]
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こんな人に読んでほしい:太陽光をもとに生命は発展してきた。科学の力で夜間でも自由に光を得ることができる今の時代ではあまり光のありがたみを感じることもないだろう。そんな中目や光について意識を持って調べてみることは本来の光が持つ重要性を再認識させてくれる。目や光、そして睡眠について興味がある人にはぜひ読んでほしい。著者はJINSと共同でブルーライトカットメガネも開発していた、テレワークでパソコンばかりをみている我々には多くの知識が本書にはある。
選書理由:在宅での仕事が増え、画面に向き合う時間が増え目の奥に痛みを感じた。
構成:光と人の歴史、そして体内リズムの大切さやブルーライトの良し悪しから日々の光への向き合い方を導いてくれようとしている。
感想:太陽は約46億年前にでき、その８億年後に生命は生まれたとされている。２５億年前になると、大繁殖したシアノバクテリアは太陽光を使い光合成し、二酸化炭素から炭素をとり炭水化物(糖)を生成した。この炭水化物と窒素が結びついてタンパク質を、さらにタンパク質の酵素を使って脂質をも生み出された。また光合成により、酸素ができることにより上空にオゾン層がで切ることで紫外線が減ることで生物は深海から陸での生活を可能にした。太陽が地球の自転により常に一定のリズムを持つことから生物は体内時計を持つとされている。このように、３大栄養素、陸上生活、体内時計など人類と太陽の関係性は深い。
このような恩恵の一方で、ブルーライトのように光によるダメージが注目されるようになった。それは、太陽光に比べブルーライトの強度は低いとはいえ文明の発達によりディスプレイを見る機会が増えたからである。疲労の原因の一つは瞬きの減少と考えられていて、涙が減ることで酸素や栄養を補給や紫外線やストレスによる酸化ストレスから守るといった従来の役割を果たせなくなる。ドライアイにより涙腺が便秘気味になってしまう。また、波長の短いブルーライトはエネルギーが強くそれを絞ろうと瞳孔を収縮させる瞳孔括約筋を使う。散乱しやすくもあるのでピントが合わせずらいことから水晶体の厚さを調整する毛様体筋も酷使されるということもある。
目の奥の視床下部にある視交叉上核目の網膜で朝の光をキャッチすると眠りを誘うメラトニンの分泌が抑えられ覚醒し、夕方になるとこれが戻り抑えられる。このようにして人間は太陽の光と生活のリズムを合わせてきた。目の網膜の錐体、桿体以外に光をキャッチするメラノプシンを含む第3の視細胞光感受性網膜神経節細胞がマウスや猿では確認されていて人にもあるのではないかと言われている。このように目は体内時計にとっては欠かせない。そのため、緑内障で水晶体が濁ると、上手くブルーライトが感知できなくなりサーカディアンリズムがずれてしまう。体内時計は脳の視交叉上核だけでなく血管や、髪にもある。つまり、目のアンチエイジングは全身につながる。京都大学では、ショウジョウバエを１３００世代暗室で飼ったところそれでも２４時間のリズムを刻む、つまり暗闇でも２４時間のリズムを持つということを明らかにした。理研、慶応、北大の共同研究で一日２回の血液採取でどれほど体内時計がずれているかわかることまで研究はされている。
以上に述べたように光に対する付き合い方は非常に大事である。欧州では瞳の色が薄いということもあり、より間接照明や暗い照明を好み日本人の好きな南向きの部屋がそこまで人気ではない、また北欧では太陽光が少ない季節もありコンビニの約６倍の強さの目覚まし光といった工夫をしている。ヒマラヤ標高6000—7000mのラダックに住む人は非常に幸福感があり時間がゆっくりと進むらしく１０秒の感覚が日本人では12.24秒であるが、4,47秒となっていて時間をゆっくりと流れているように感じている。このように体内リズムが幸福度に影響しているのは非常に面白い。光に対する向き合い方は地方によってそれぞれ異なるが、ブルーライトと上手く付き合い体内リズムを整えながら健康を維持していきたい。
今回の本です。
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