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読書No.51 私の田中角栄日記  佐藤昭子

はいどうも皆さんこんにちはイタチです。

 

本日ご紹介する本は、51冊目私の田中角栄日記という本になります。最側近秘書である佐藤昭子さんの視点で書かれた一冊です。


そもそも田中角栄首相について詳しくない方もいると思いますので、簡単にご紹介したいと思います。

 

田中角栄さんは新潟のご出身で、54歳の時に第64代内閣総理大臣(1972~1974)となりました。現在の岸田さんが64歳ですから、かなり早く出世して着任したことがわかります。エリートイメージな政治の世界ですが、学歴としては中卒でした。そんな逆境を覆し、トップの首相まで上り詰めた珍しいお方になります。個人的にはそこまでいけたのは、努力家であること、人への気遣い、実行力があったからではないかなと思っています。

 

主な功績としては、

(1)日本列島改造論
急激な高度成長によってもたらされた過密・過疎、公害、環境破壊等を克服して、日本全国をつり合いのとれた、豊かな国土にすることを目ざしたという大構想。いわゆる新幹線や高速道路の整備

 

(2)日中国交正常化問題
1972年の日中共同声明によって、日本と中華人民共和国(中国)が国交を結んだことです。田中角栄氏は、日中国交樹立を遂げたことなどから、中国では最も高名な日本の政治家として「古い友人」と呼

ばれ、現在も称賛する声が強いです。

 

田中角栄氏は決断と実行の政治と言われるように推進力のある方だなと思います。一方、世間が持つイメージのように裏金、金脈政治を駆使していたのも事実かなと考えられます。こうした2面性を持ちながらも、角栄を信望するする人が多いのは人への優しさが根っこにあるのではと感じました。

 

 

本書では首相になるまでのストーリーが秘書の佐藤さん目線で書かれていて、臨場感もあり選挙のスリリングな一面を感じられます。ありがたいことに、おおよそ年代ごとに並べて書いていただけてるので理解もしやすいです。

 

本書は角栄氏の人生の氷山の一角とはいえ、一国の首相に54歳になるまでにこんな苦労するのかと思わされます。それなのに在任が数年なのかと思うとセミのような儚さを感じました。

 

著者の佐藤さんの記憶力には驚かされます。事細かにエピソードを書いていただいていることに、時代を超えて人物について本から学べる機会をいただき感謝したいです。

秘書の方の視点なので、マル秘エピソードトークは魅力的ですが客観性に欠ける点には注意を払いたい所です。

[総合評価]
”田中の政治家としてすごい実力があると肌で感じたのが、若い田中を軽く扱う人がいなかった”と佐藤秘書は振り返っていたのが印象的でした。お金をばら撒く剛腕なイメージがどうしてもあるが、身内である佐藤秘書の目線からは随所に努力家、気遣い、優しさが感じていると読み取れた。人間は様々な面を持ち合わせているが、この側面こそ人々が田中角栄という人物に魅了されている部分だなと思いました。

 

 

[こんな方におすすめ]
・政治に興味がある方
・意外かもしれませんが、地方創生 (新幹線や高速道路といったインフラ整備で是非とも本書と共に日本列島改造論を読んでほしい)
・秘書の視点での田中角栄首相を知りたい方

 

 

全p276で、文庫本サイズ(15cm×11cm)なので持ち運びしやすいです。


ではまた次回お会いしましょう!

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