2022――これから10年、活躍できる人の条件 (PHPビジネス新書)
神田昌典
選書理由:来年2022年になるので未来予想的な本を今になって読んでみたかった
構成: 作者の独自見解による未来予想がなされている
評価:星3.1(C): 未来予言的な本(2022年)を今になって(2021年)読むと違うものが見えてくる。後出しジャンケンになってしまうが、読書は鵜呑みにせず自分で読みながら考えることが大切さということを再認識した。ビルゲイツ氏が読書しながら疑問を余白に書き込み自分の考えと本の主張を戦わせていることを思い出した。個人的には、本気で予想を読みにいくというよりワクワク感を楽しむものだった。
意見は完全に私見ですので、あくまで参考までにお願いします
S 4.5 ~ 5.0 [読むと思考が変わる]
A 4.0 ~ 4.5 [持っていて損はない]
B 3.5 ~ 4.0 [時間があるときに読みたい]
C 3.0 ~ 3.5 [読まなくても良い]
感想:
作者による2022年に向けた未来予想がなされている。今の時点(2021年)になって当たっているだの外れたのだということは後出しジャンケンになるのであまりすべきではないと思う。しかしながら、こういった未来予想をする本を読むときにはやや否定的に、根拠を疑って読んでいく必要があると実感した。ビルゲイツさんが本の余白に疑念をメモしながら読書する、鵜呑みにせず自分の頭でもきちんと考える習慣が読書では大事なのではと感じた。以下大きく気になった4つについて書いていく。
第一に、歴史は70年周期で繰り返すということである。参照元としてStraass&Howeの[Generations: The History of America’s Future, 1584 to 2069]という本を用いていた。実際に日本の70年前と今を比較していた。個人的には、組織や社会が一定周期で栄枯盛衰を繰り返すことには賛成であるが、本書だけを読んでかつ70年前の一周期を示されたとしても証明としては不十分であると思い納得感はあまりなかった。
第二に、人口分布からアジア圏が発展する。これは唯一納得できた項目である。内容としては、人口分布が経済と密接な関係があり、若者が多いアジア圏内は先進国と比べ今後発達する可能性がある。日本の場合は逆で、高齢社会が深刻化している。似たようなケースとして、スウェーデンやデンマークがあるが人口減少に関わらずイノベーションが起こっている。高齢化社会をポジティブに考え、健康、医療、介護、旅行といった部分は今後日本の得意分野となる可能性がある。
第三に、iphoneが2016年に終わるという予言。これについては、製品の生産サイクルから結論を導いているが、Appleの方が上手だったのか作者が技術に詳しくないのか大胆に外れている。
第四に、会社がなくなりNPOとなる。参照元としてピーター・ドラッガーの[ネクスト・ソサエティ ― 歴史が見たことのない未来がはじまる]が挙げられている。これも組織の成長ややりがいから来ているが、もう少し株式発行つまり財務的にどうするかなど資金調達の部分にも言及してもう少し納得感が欲しかった。
個人的な結論として、人が興味を持ちやすいようなことiphoneが無くなるや会社がNPO法人化するということを持ち出していた。こうしたことを論じるのならば、根拠をきちんと提示しなければならないと思う。この本を読むならば、まずStraass&Howeの[Generations: The History of America’s Future, 1584 to 2069]やピーター・ドラッガーの[ネクスト・ソサエティ ― 歴史が見たことのない未来がはじまる]の参照本を読んだ方がためになりそうだ。
むしろこっちを読むべき!?
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