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読書11 バーキンやケリーを生み出す高級ブランドエルメスの エスプリ思考 

 

 

意見は完全に私見ですので、あくまで参考までにお願いします

S 4.5 ~ 5.0 [読むと思考が変わる]

A 4.0 ~ 4.5 [持っていて損はない]

B 3.5 ~ 4.0 [時間があるときに読みたい]

C 3.0 ~ 3.5 [読まなくても良い]

 

Instagram: @book_gateways

 

タイトル: エスプリ思考: エルメス本社副社長、齋藤峰明が語る

 

 

評価:星4.1(A)

誰もが知る高級ブランドの最高峰エルメス、そのブランドの本社で副社長も務めた日本人斎藤峰明氏の語るエルメスの根底にあるエスプリ思考はファンであればぜひ読んでおきたい。貴重な体験談もあり、ブランドに対する思いがさらに強くなります。読めばケリーやバーキンに対する意識が変わるかも。

 

こんな人に読んでほしい

エルメスに興味がある人やブランド、職人や伝統に興味がある人。

 

>>以下、まとめ感想メモです。

 

私の選書理由

エルメスといえば有名なバーキン、100万円以上するこのカバンが今や買えない程人気だという。これに対しどのようにしてこのブランドが醸成されたかということがとても興味を引いた。

 

構成:

斎藤さん自身の経緯やエルメスでの経験や会社の文化が書かれている。そして、日本のエルメスストア建設の話や今後の消費に対する考察がある。

 

感想:

まず本書の題材となったエルメス本社副社長であった斎藤峰明さんについて。高校3年時に旅行会社の破綻で路頭に迷ったフランス人100人を大阪万博へ案内、 卒業後1年でフランス語を学びフランスへ渡ると非常にアクティブな性格。渡仏後は、朝7時から夜12時まで背広でアルバイトに行きセーターに着替えて大学へ行くという多忙な日々を過ごす。三越トラベルでのバイトでは、8ヶ国語を扱い、多くの美術館にコネクションを持つピアンチェーニ氏に師事をする。大学卒業後は商社のパリ支店に勤めた後、パリ三越駐在所長となり三越へ戻る高田賢三さんのパリの自宅建設を三越建築部とともに行う。コンセプトは、完璧な日本庭園や和室、お風呂を備えるといったものであった。

 

次にエルメスでの話であるが、エルメスには日本のもの作りに非常に似た文化があるという。それはLVMHのようにラグジュアリー感を演じて利益をだすものと違い、最高品質のものを作るから最大の利益を上げ、最高のものを提供しお客様の生活を豊かにすることに貢献する。このように、効率を重視するのではなく品質に重きを置いていて、分業ではなく一人の職人が完成まで行いバーキンやケリーは丸2日約18時間かけて作られるという。斎藤さんが職人を福岡の博多人形の職人と合わせたところ大変喜んだというエピソードもある。そんな職人気質な会社であるが、ファミリービジネスの良さがどことなくあり、哲学や理念があり、結果利益がついてきて、次にモノ作りに動かすことができるという。少々驚いたが、これだけの会社に社史はないそうだ。理由は書くとそれで終わってしまうからだそうだ。謙虚でなければ感動できないというように、常に謙虚にいいものしか生み出さず悪いものが売れてしまえば取り返しかがつかないという姿勢がここまで継続してきた秘訣なのかもしれない。さて、エルメスは多くの国に展開しているが、これはエルメスの文化を伝えることが目的である。エルメスは、マルチローカル主義つまり、言葉は現地の言葉で社長は現地の人でを貫いている。斎藤氏が日本に行く際には5代目デュマ氏に消費者の新しい幸せの水に飛び込めるかと声をかけられたそうでなんともおしゃれな話である。

 

銀座のエルメスストアのエピソードも紹介されていた。この建物は、服部セイコー発祥の跡地であり、設計はルーブル美術館等も行ったあのレンゾピアノ氏によるもので、コンセプトは逆さにした木であり、根=歴史、幹=仕事場、葉=店、実=商品となる。形状としては、光と戯れるランタンをイメージしていて、ガラスブロックは43×43の大きさでありカレスカーフの役4分の1で、わざわざフィレンツェで作成されてきたものを運んできた。地下一階のルイ15世の騎馬像は、ベルサイユ宮殿お抱えの画家によるもので世界に4店しかない貴重な品で、他の3点はルーブル美術館、ベルサイユ宮殿、エルメス米国ロデオドライブにあるという。斎藤さん自身、銀座の旦那衆が集まる小唄を習う会に出席するなどして、銀座という土地柄に溶け込む努力をしたそうだ。ちなみにライバルは虎屋だそうだ。

 

エスプリ思考: エルメス本社副社長、齋藤峰明が語る – 川島 蓉子</a>最後に、参考になるいくつかの言葉を箇条書きで書いておく。流行で終わらない創造に挑む/生業を貫いていく/使う豊かさを提案する/価値と価格のバランスをとる/何をしたいかを明確に打ち出す/精神的な価値やストーリーを伝える。つまり、背景にある哲学や理念=思想とも言えるものを一つの財産として受け継ぎ、顧客に伝えることを大切にしてきた。

 

参考までに、今回の本のリンク

 

 

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