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読書24 来たるIoT時代に乗り遅れるな  IoTシステムのプロジェクトがわかる本 西村泰洋 

 

IoTシステムのプロジェクトがわかる本 企画・開発から運用・保守まで

西村泰洋

 

選書理由: IoTの時代に備えるため必要な知識を身につけたかった

 

構成: IoTシステムの基本から、現在の技術や動向を紹介し、開発に対するアドバイスが紹介されている。

 

 

感想:

IoTシステムのモデルは3層、5層、7層モデルで説明される。一般的な5層モデルは上からサーバー/クラウド→ネットワーク→エッジ→ゲートウェイ→センサーとなっている。サーバーとエッジをつなぐネットワークとしては企業本体内部のイントラネットや通信サービスのISP、キャリア、LPWAなどがありシステム全体を考慮して最適なサービスが定まる。ゲートウェイとエッジ間は無線のwifi、BLEや有線のLANがあり、デバイスとゲートウェイの間は無線のwifi、BLEや有線のLAN,USB、RS-23Zがありデバイスが決まるとそれに依存して決められる。例えばドライブレコーダーの場合、ドライブレコーダーがデバイスであり、携帯キャリアの4Gがネットワーク、各社のサービスサーバーがサーバーとなる。

 

 

センサーデバイスには速度、傾きを検知するジャイロ、GPS、電波で位置を把握するビーコンがある。RFID(Radio Frequency Identification)と呼ばれる電波を用いて非接触でデータキャリアを認識するがある。ICタグの内部には、各タグに固有のID番号の他にユーザーメモリ領域がある。Zigbeeデバイスというものは、通信距離が10m程度でありZigbee同士でリレーできる。TCP/IPのようにIPアドレスを保有する全てのデバイスにつながるのではなくZigbee同士に限定される。

 

 

画像認識の場合は画角を対象に合わせる必要がある。つまり全体をして色と形は一致しているか、ピクセル単位で色と形は一致しているか。RGBモデルのみならずHSVモデルの利用も増えている。色相(Hue)、彩度(Saturation)、明度(Value).

 

 

IoTシステムを構築するネットワークとサーバーについては、クライアントとサーバーのネットワーク接続の基本はLANでTCP/IPプロトコルで通信を行い、サーバーと配下のコンピューターの間は互いにIPアドレスというコンピューターソフトウェアが認識する住所で呼びかけ合う。ハードウェアを認識する住所としてMACアドレスがある。現状のIoTデバイスは多くの場合IPアドレスを持たずゲートウェイ以降で持つがmIpv6が普及すれば超小型カメラも含め全てにIPアドレスがつくとされている。サーバーと配下のコンピューターのデータのやり取りは4階層のアプリケーション層→トランスポート層→インターネット層→ネットワークインターフェイス層で表されるTCP/IPプロトコルが使われている。まずはデータのフォーマットや送受信の手順を決めるHTTPやメールのSMTPやPoP3があり、アプリケーション層のプロトコルと呼ばれている。次にどのようにデータを届けるかというトランスポート層では2つのプロトコルがあり、1度接続したら送信先を意識せずデータをやり取りするTCPプロトコルとデータを送る度に送信先とデータを明示するUDPプロトコルがある。そしてどのようなコースを辿るのかというのがインターネット層でありIPアドレスが使われている。これらのコースが定まれば後はwifi、有線LANなど物理的通信手段はネットワークインターフェイス層と言われている。HTTPは主にwebブラウザとwebサーバー間でするがIoTデバイスからサーバーへHTTPより軽いMQTTを使うこともある。これにより、いったん接続を確立すると以降は必要なデータだけを送る事になる。ちなみにwifiとBLEは同じ2.4GHzの周波数にあるが異なるチャネルを使っている。同じチャネルを使わないようにBLEではキャリアセンスという仕組みがあり、LBT(Listen Before Talk)と呼ばれリーダライターが読み取り処理をする前に他のリーダライターからの電波の通信の有無を確認する。ゲートウェイで変換されるデータ形式として、データの羅列で構造化されていないCSV、ファイルのサイズが大きいXML、CSVとXMLの中間に当たるJSONがある。

 

 

開発手法はいくつかあり、前に戻らないことから由来されるウォーターホール型やよりスピードを重視したアジャイル型と呼ばれアプリケーションやプログラム単位で要求、開発、テスト、リリースを回していくものがある。PoC(Proof of Concept)概念実証で実証実験やトライアルなどと呼ばれているものは、どのようなメカニズムでデータ取得や送信がされるか、データ取得や送信は設計通りにできているか、問題が発生するのはどのようなケースかを考える。

 

 

企画に対する留意点として全デバイスに共通しているのは、取得可能なデータと形式、データ取得のタイミング、出力データの内容と形式、ゲートウェイやエッジへの接続方式、デバイスが複数あるときに認識できるIDなど、標準規格、サイズや保守に必要なスペース、電源、動作温度がある。無線を利用する場合は、周波数帯、無線局申請が不要であるか、通信距離または範囲、通信速度、通信間隔、規格の整合性がある。通信距離は必ず電波暗室で実測し、レスポンス(受信器が無線でデバイスの送信器から電波を受けそれを送信器に返すまでの時間)やレイテンシー(デバイスがデータを取得し、ネットワーク経由でサーバーに到達させ、サーバーからデバイスにデータを受信したことを返すまでの時間)も測定する。個々のサーバーのCPUやメモリの増強をするスケールアップや、サーバー自体の台数を増やすスケールアウト、サーバーと配下のコンピューターの時刻の同期のためのNTP(Network Time Protcol)等が使われる。

 

IoTの良い入門書だと思います。IoTに関しては、表層的な本が巷には多いが本書は少し踏み込んで専門書寄りです。今までの本でなんとなく実感が湧かなかった人には良い導入書です。

 

 

こんな人に読んでほしい

IoTについて初心者の方、IoTに関する表層的な本に飽きた人。

 

 

意見は完全に私見ですので、あくまで参考までにお願いします

S 4.5 ~ 5.0 [読むと思考が変わる]

A 4.0 ~ 4.5 [持っていて損はない]

B 3.5 ~ 4.0 [時間があるときに読みたい]

C 3.0 ~ 3.5 [読まなくても良い]

 

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