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読書42 お金のむこうに人がいる 元ゴールドマン・サックス金利トレーダーが書いた 予備知識のいらない経済新入門 田内学

こんにちはイタチです。

今回の読書42冊目は、ゴールドマンサックス元トレーダーの田内学さんのお金の向こうに人がいるです!これでも部分的ですが、かなり丁寧に書いたので読んでいただけたら嬉しいです。

 

タイトル:お金の向こうに人がいる (Amazonリンク)
著者:田内学
評価:星4.8(S)

 

 

 [漫画で例えるならワンピース”海賊の高み”]

[漫画で例えるならワンピース]

この本をマンガで例えるとワンピースに出てくる”海賊の高み”という言葉が真っ先に思いつきました。この本を通してお金について理解すると、お金(経済)の高みに連れて行ってくれる気がします。単にお金をガンガン稼ぎたいみたいな現実的思考から、お金の流れを生み出し人を豊かにしようという誰しも昔は持っていた大きな夢を追いかけたくなります。前者がベラミーで後者がルフィ達です。(分かりにくい例えかも笑)

大人になって社会に出ると厳しい時もありどうしても現実的にお金を稼ぐ事ばかり目が行きがちですが、人を豊かにするという大事な夢も忘れてはならないです。この本を読むと、お金を稼いでいるからと偉そうにする人に対する違和感が分かりスッキリできました。

 

 

目次

自分にとって印象的なことは3つありました。
(1)お金の力について理解
(2)お金持ちが偉いのか?お金の向こうには人がいるを理解し、お金(経済)の高みへ
(3)老後2000万円問題があるが、本質的に解決すべきポイント

*部分的にかいつまんで書いていますし、気になる方はぜひとも本で読んで欲しいと前置きしておきます。

 

 

(1)お金の力について理解

(1)お金の力について理解
お金というものは人類が発明した非常に便利な道具です。お金を利用することで経済圏の移動が可能となり、昔のように物々交換をしていた時代から進化し、今日のグローバル社会ですら支える道具となっています。そんなお金ですが、一番大きな力とも言えるのがコミュニケーション力であり、交渉力と伝達力を持つことです。

具体的にレストランで考えてみます。まず、サーブする人やシェフを雇う際に働いてもらわないといけませんが、その交渉を担うのがお金です(交渉力)。そして、そういった様々な人を集めて料理を作りますが、集める原動力となっているのもお金です(伝達力)。色々な側面から捉えることはできますが、日常生活をスムーズに行うことができているのはこのようにお金のコミュ力があまりにも高すぎるからなんです。

そして、お金持ちはよく見えたり、憧れにつながるのもこのお金の労働に対する交渉力と伝達力があるからこそと言えます。例えば高級車の購入を車を作ってもらうという労働の交渉と捉えると分かりやすいでしょうか。これが、異性にも魅力的に映りモテにもつながりさらに金持ちがよく見えるということに拍車をかけています。

 

ここまでは皆さんも実感があるのではないかと思います。考えているのは自分の財布(自分中心)だけでしたので、これを政府の財布と企業の財布も含め、視野を広げていくと見え方が随分と違います。

 

 

(2)お金持ちが偉いのか?お金の向こうには人がいる

(2)お金持ちが偉いのか?お金の向こうには人がいる

お金というものは血液とよく表現されますが、作者がいうように水の方がイメージが湧きやすいです。それは、政府・中央銀行からお金が発券されてそれを企業や個人が使用します。使用するたびにそれぞれの水は、個人と個人の財布や個人と企業の財布の間を移動します。そして時折、水は水蒸気となり空で雨雲となり(税の徴収)また地上に降り注ぎます。ここで大事なのが、降り注いできた水(お金)の総量は決まっていて、地上ではそれが個人の財布と企業の財布の中で移動しているだけです。先程のレストランのケースで考えますと、自分が払った料理のお金1000円(個人の財布)は分解すれば、500円はレストランのスタッフ(個人の財布)、300円食材を作る会社(企業の財布)、200円は皿を作る会社(企業の財布)と、料理のために自分の財布から1000円出て行きますが、その裏には様々な人の労働がありその労働をしてもらった方に渡ります。そして、お金はさらに次の労働へつながっていくのです。こうして考えたときに、お金は単なるコミュ力の高い紹介人であり、人を豊かにして幸せにする大事なものはその裏にある労働であることがわかります。お金の向こうには人がいるのです。

 

ではお金を稼ぐ人はそれだけ人を幸せにしたり、人を豊かにしているのでしょうか。必ずしもYesとは言い切れません。物の価格が高ければ高いほど人への効用は高いでしょうか?一般的に相関はありそうですが必ずしもそうとは言えません。これはGDP(生み出された物の価格の合計)だけで経済成長が測れないことや、そうした指標で経済が成長してると言われても我々が豊かになっていると実感できていないことと同じとも言えます。例えば銃を製造してお金持ちになったとしても、それが人を殺すために使われていては人を豊かにしているとは言えません。人を豊かにしてお金を稼ぐ、これがまさにお金(経済)の高みであり目指すべき場所なのかと個人的には思いました。お金持ちとは資本主義市場で競争がなされて相対的差(格差)で優位に立っているだけであり、必ずしもそれが良いとは考えられないというのが私の意見です。

 

 

(3)老後2000万円問題があるが、本質的に解決すべきポイントは?

 

(3)老後2000万円問題があるが、本質的に解決すべきポイントは?
最後に老後2000万円問題の本質的解決方法の糸口を考えたいと思います。2つ主に考えていて、一つはお金の空間的分断です。これは本のタイトルかつ筆者の主な主張で財布の中のお金が自分の生活を支えているという誤解であり、現実は財布の外の空間で人々が支えているということです。二つ目は2000万円お金を貯めようとするのは、その貯めたお金のお交渉力を使い老後の世話という労働を誰かにしてもらうことです。

 

 

大量に政府の借金が残っていて負担が大きいと感じることについては、今回は長くなるので説明もしませんでしたが本書を読んで欲しいです。日本が借金が多くてもギリシャのように破綻していないのはきちんと国民が労働をしているからでありお金が循環しているからです。

 

では老後2000万円問題の本質はなんでしょうか、一つは日本の人口分布を考えた時に日本の労働が減ることであり、お金を持っていたとしても労働する人、老人に対して支える人口が少ないことです。1970年には8.5人に一人の高齢者を支えていたのに対して2020年には1.9人にまで減りました。この原因となるのもお金の力に人が飲み込まれているからではないかということです。昔はタダで人のために働くということがあったと思いますがそれが今では全てが資本主義市場に投げ出され有料化しています。子育てをするにも、昔は近所の人の支えがあり面倒をタダでみてもらうことができていました。しかしながら、お金の交渉力という便利さに依存してしまった我々の現代ではベビーシッターさんなど知らない人にお金で労働をお願いする方に流れてしまい、人と人、労働に対する不可視化が進んでしまいました。困っている老人がいればタダでも助け合えば良いのに、それがないから2000万円問題が噴出しています。そんな余裕もなくなってしまった今の人はその時間と精神を資本主義市場ですり減らしてしまった弊害であり、豊かな人の生活をいかに作るかということを再考させられる一冊でした。

 

 読書による変化 before ▶︎ after

 

読書前(before): 最近はお金にまつわる本が数多く、どれも似たようなお金の稼ぎ方みたいな本が多い印象でしたが今回の本はゴールドマンサックスのトレーダーの方が書かれていてかつ理系ということもあり少し違う目線であることを期待して本書を手にしました。

 

読書後(after): 専門用語や数式無しでここまで論理的思考するだけでお金についての本質を理解することができます。お金を稼ぐことだけではなく、それによりいかに自分が人類に貢献しているか、豊かにしているかを考えさせられます。そんなエッセンスを1000円台で買えちゃうのはすごい時代だなと思います。こんな疑問を持っている人にはオススメ!

 

 

 

 

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